八十一踏み目 陶山神社
磁器製の鳥居と欄干
有田のメインストリートから、歩いて数分の小高い丘の上に、陶山神社(とうざんじんじゃ、正式には『すえやま』)が鎮座まします。
石段を上ると、磁器製の鳥居がお出迎えしてくれる。明治 21 年 (1888 年) 稗古場奉納。高さ 3.65 m × 横 3.9 m 。白磁の素地に天然呉須による淡いブルーの唐草模様が見える。100年以上前の奉納で、雨ざらしだったことを考えると、若干色あせてはいるけれど、焼き物って丈夫なんだな、と思う。
灯籠や狛犬、扁額や欄干など、いたるところが磁器。訪れた際駆け足で回ったため、写真に残せなかった箇所も多くて残念。でも、全体的に一般的な神社の雰囲気を残しながら、細部を磁器製にすることで異郷感を感じさせる風情は、心の中に残っている。
神社にはさまざまな系統があり、総本宮といわれる大きな神社は明らかな特徴を見分けることができるが、こぢんまりとした神社では、目を凝らさないと特徴は分かりにくいものだ。
陶山神社の場合は、ご当地風のディテールがはっきり分かって面白い。こういったディテールの違いは、どの神社にも元来あり、それを眺めることで、氏神の守る土地がどんな場所であるか、昔の人は見分けられたんじゃないだろうか。
ある土地を訪れたら、まず神さまに参拝しよう、というのは、もちろん氏神さまへのご挨拶という“信心”でもある。だが、その土地柄の基本データを見に行く、という目的もあったのだと、ボクは思う。
神域内にJR佐世保線の線路が横切っている、というのも特徴的だ。
当初の計画では、もっと社殿に近い位置をまっぷたつに横切るはずだったが、住民の反対で現在地になったという。佐世保線に乗って、有田駅以降の駅で下車する方は、知らず知らずのうちに陶山神社を、かなり足早だが、参拝していることになる。
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