一〇七踏み目 真木大堂
| 真木大堂
●所在地 大分県豊後高田市田染真木1796 |
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仏さまの見方

仏像がブームらしい。
書店に行ったら、仏像関連の書籍やムックが山積みだ。今回のブームの起点は阿修羅像らしい。
あの憂いをたたえた表情は、確かにグッとくる。
「仏像は、背中を見ろ」。
ある時、知人に教えてもらった仏像の鑑賞のポイントだ。
背中まできちんと造られているのは、仏師の仕事として手抜かりはない。後ろ姿がセクシーなのは、人体を模した造形としてトータルで美しいということでもある。
仏像は立体だから、真正面からだけではなくいろんな角度から眺めた方がいい、という鑑賞の教え、でもある。
だが、意外に仏像の背中を見ることは難しい。ズカズカと本尊が安置されている場所に上がり込めるわけがない。博物館などでの展示でも、背後に回れない場合も多い。
要するに、仏像を味わうには、足しげく通ったりと、それなりの手順やタイミングが大切だということなのだろう。
ということで、真木大堂だ。こちらでは、木造阿弥陀如来坐像(本尊)、木造大威徳明王像、木造不動明王二童子立像、木造四天王立像の重要文化財の、とても美しい仏像が公開されている。
以前は、旧堂にそのまま安置されていたというが、現在は空調を完備した巨大な収蔵庫に安置されている。ガラス越しの鑑賞、なおかつ撮影禁止でもある。
ボクは別件の取材で中に入らせてもらうという幸運を得て、写真も撮影できたが、このサイトでは残念ながら公開できない。このページに掲載している仏像の写真は、真木大堂で配布されているリーフレットからスキャンした画像だ。
収蔵庫に入った直後に、仏像の迫力と美しさに立ちすくむほど。仏さまを見てこんなに美しいと感じたのは、初めてだった。
大威徳明王像
大火炎を背負った不動明王。悟りの香りを漂わせた阿弥陀如来。独特のポーズが躍動的な護持。
大小ある仏像のすべてが素晴らしいが、一番目を引くのは大威徳明王像だろう。なにせ、水牛にまたがっている。
大威徳明王は、六面六臂六足、つまり6つの顔、6本の腕、6本の足を持つ。千手観音のように複数の腕を持つ仏さまは見たことはあるが、足がたくさんある仏さまは、それほどなじみがない。
顔、手足が複数という異形であるのに、造形としての違和感が全くない。しかも水牛にまたがったライディングスタイルである。水牛も含めたトータルバランスの精妙さが、仏さまの有り難さを醸し出している。
大威徳明王の「明王」は、密教特有の尊格の1つで、大威徳明王は、不動明王を中心とした五明王のうち、西方を守護する。憤怒の表情は、人々を教え導くためにあえて見せる表情で、阿弥陀如来もしくは文殊菩薩の化身(教令輪身という)だ。
怖い顔は、邪悪なものから守るためではなく、脅してでも人々を導こうとする仏さまの決意の表れなのだった。
仏像は、祈願する対象=偶像でもあるかもしれないが、本来は、視覚や雰囲気で教えを伝える立体的な経典なのだろう。だからこそ、仏像は美しく、精魂をこめて造られるのだろう。ここの仏像を眺めていると、ホントにそう思う。
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