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石見神楽

12 10月 2009 5 Comments
maturida517

 石見神楽とは、島根県の石見地方と広島県の安芸地方北部に伝承されている神楽の形式。

 発祥は諸説あるが、室町時代後期にはすでに演じられていたという記録がある。

 田んぼの脇で豊作を祈る舞踊「田楽」がルーツといわれる。田楽はさまざまな芸能に枝分かれしていったが、その大きな枝が「能」。
 田楽系の神楽である大元神楽に、出雲流神楽、能、狂言、歌舞伎などの影響も加わって、演劇性が高まり、大衆娯楽として広く親しまれるようになった。
 戦後、北九州にも伝わり「折尾神楽」として定着している。

 
 神話や神楽の演目について詳しい知識がなくても、見ているだけで楽しめるのが石見神楽の特徴。一般的に「勇壮で激しい舞」という風に紹介されている。
「六調子」という緩やかなテンポと、「八調子」の激しいテンポの緩急があるから、そう単純ではない。「六調子」では幽玄で厳粛な風情、「八調子」では体が浮き立つような高揚が得られる。石見神楽が盛んな地域では、神楽社中がない地区でも、祭礼やイベントの時に、各地の神楽社中を招いて講演する。

 神楽団体も100以上あるといわれているが、興行だけで食べているいわゆる「プロ」はいない。
 仕事を持ちつつも、練習や講演に力を注ぐ方達が多いのは、いかに石見神楽の人気が高いか、を物語ってあまりある。

 主な演目は、以下の通り。添付している動画は、先日(2009年10月3日)行われた「祭りだよ!さぶみに集合」の記録。
 石見左鐙神楽社中および左鐙子供神楽社中のみなさん、ありがとうございました。

神楽(かぐら)

 神楽奉納の第一演目。場を浄め、聖域とする儀式のような舞。近年は省略する場合も多いとか。
 奏楽の響きの中に、舞う人が振るう鈴の音が響いて、何かが祓われていくような感じがする。


 

塩祓

 四方祓とも。現在の石見神楽ではもっとも基本の舞といわれ、またもっとも大切にされている儀式舞。一人もしくは二人で舞う。その名の通り、神楽を舞う神殿や場を浄めるための舞で、浄められた舞台は神さまが降り立つご神域となる。


 

八幡
 大分県宇佐市におわす、宇佐神宮の神さまとされる八幡麻呂が第六天の魔王を退治する。仏教説話の影響が強いストーリーだが、宇佐神宮は神仏習合の発祥地といわれているから、納得。
 石見神楽では、途中で面を脱いで、素顔で舞をフィニッシュさせる。八幡は、子ども神楽の定番というか十八番。表情がキリリとしているのは、神懸かりの一種といえる?

天神

 時の権力者藤原時平との政争に敗れ、太宰府の地で悲壮な最期を遂げた菅原道真が、天神となって時平をやっつける。
 学者で貴族で、なおかつ学問の神さまである天神様が二刀をひっさげて、あんなに激しく動くなんて…。福岡県民としてはちょっと衝撃。

 衣装の早変わりと剣戟の格好良さで、神楽を学んでいる子どもたちが舞いたい演目として名前を挙げることが多い。

 

塵輪

 仲哀天皇(実在が疑問視されている)が、塵輪という鬼を征伐したストーリーを神格化。二神二鬼または二神一鬼にて激闘を繰り広げるが、この鬼は女だともいわれている。
 女の鬼とは、ヤマンバみたいなもの? 

恵比寿

 満面に笑みを浮かべた恵比寿様が、鯛釣りをする。所作もかわいらしくて、とにかく縁起がいい。
 撒き餌にお菓子を投げ込むので、子どもには人気。だが、撒き餌に引っかかりすぎて、ステージ下に子どもが殺到。

 鯛を釣る前に、山海を問わず季節の収穫物をつり上げるなど、豊年満作と大漁をみんなで祝う演目だ。

鍾馗

 鍾馗様は道教系の神さま、つまり大陸からやってこられた神さま。端午の節句の飾り物や凧などに描かれ、ギロッと見開かれた目で、悪いものを威圧する。

 唐の玄宗皇帝が厄神に取り憑かれて病にかかっているのを、鍾馗がやっつける。鍾馗が振るう輪は、全国で夏祭りなどで行われる「茅の輪くぐり」の原型といわれる。

大蛇(おろち)

 素戔男尊の八岐大蛇退治。石見神楽の華と呼ばれる花形演目。今回の記録では五頭の登場だが、くんずほぐれつ、凄まじい。

 動画に収録していないが、冒頭の生け贄の女子が大蛇に食われるシーンは、本当にコワかった。

 このほか、代表的な演目としては
 岩戸(いわと)
 大江山(おおえやま)
 鹿島(かしま)
 かっ鼓(かっこ)
 切目(きりめ)
 貴船(きふね)
 黒塚(くろづか)
 五神(ごじん)
 八十神(やそがみ)
 日本武尊(やまとたけるのみこと)
 などなど。

 すべての演目を一度に見るにはさまざまな社中の講演に、足しげく通わなければならないようだ。
 もっと石見神楽を見たい! という方は、広島・島根を中心とした神楽のポータルサイト「神楽の杜」などをご参考に。 
 左鐙神楽社中のみなさんについては、下記のサイトをご参照に。地域と演じている方達のことを知れば、面白さ倍増なので。
 講演などの依頼も受付ておられています。

 さぶみ子どもブログ
 さぶみブログ
 左鐙地区HP
 左鐙神楽社中

 


5 Comments »

  • 【節分】節分祭に行ってみた【魔滅まき】 | 福岡神社・御朱印帳一覧 : ご近所の、神社へ行こうっ : 祭事・神事・神ごと said:

    [...] います」という名調子に合わせて、寸劇のような形式で行われる神事は、以前見学した左鐙のお神楽を思い出させる、手づくりであったかいなぁ、と思っていたら、古札や古いお守りを [...]

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