教えて! 神主さん vol.2 前編 初詣に行こうっ。

鳥飼八幡宮(福岡市中央区)は福岡市内におわすお宮の中でも、歴史のあるお宮さんである。近ごろは、縁結びの神さまとして、リアルに縁結びの場を設けたり、おはぎ販売をしたりと、面白い活動を通じて、人と人、お神さまと人のご縁を取り持ってくださっている。
今回は、鳥飼八幡宮の仕掛人ともいえる山内圭司権禰宜にうかがったお話を、前後編2回にわたってお届けします。前編は、もういくつ寝るとの「初詣」について、ご指南いただいていますっ。
(12月5日鳥飼八幡宮にて収録)

ーー さて、もういくつ寝るとお正月です。師走といって、慌ただしい歳末ですが、神社さんも格別にお忙しいかと思います。そんな時にいきなり漠然とした質問ですが、初詣はどういう意味があって、何のために行くのでしょうか?
山内権禰宜
初詣というのはもともと、「年籠(としごも)り」といって、家の家長の人が大晦日から明けるまで、一番近くの氏神さまに「おこもり」して、家族の安全や幸せを祈願することがはじまりだといわれています。この風習は古くからあって、いつごろからとは言えません。
今でも古い神社には「お籠り堂」という建物が残っています。今では「参集殿」とか「神武館」と名前が変わって、残っているところもあります。
ーー 家長というのは、いわゆるお父さん、というか、その家の柱となる人ですよね。
みなで集まって、お酒でも飲んでそうな感じもありますが、家長は、家族を食べさせるだけではなく、家を代表して神さまに祈願するという、重要な役割があったわけですね。お父ちゃんは、大変だったんだ。
山内権禰宜
そうですね(ニッコリ)。
年籠りという風習が、だんだん変化していって、江戸時代になって家族で氏神さまにお参りする習慣になった、といわれています。
それからさらに明治時代になって、鉄道網が発達すると、遠方の有名な神さまや大きな大社に参拝する風習が出来てきたんですね。
「お伊勢参り」といって、遠方の人が伊勢神宮をお参りすることが「一生に一度の、人生をかけての旅」という時代がずっと続くんです。神社(伊勢神宮などの高名な神社)へ参拝するために、鉄道網が発達した側面もありました。
こういう風習は、神社から、というよりも鉄道会社さんが「電車に乗って、初詣に行きませんか?」という宣伝をしたことで、広まり定着していったのだと思います。
−− 福岡ではN鉄さんあたりが、宣伝がんばったんでしょうね…。
鉄道が、マイカーになり、交通の発達が初詣という風習も変えてしまった、と?
山内権禰宜
神道の長い歴史からすると、初詣というのは最近のことですね。
でも、氏神さまのところにお籠りする風習は、神社ができたころからありました。むしろ、神社の前に小さな祠や木や石などの自然をお祭りしていたころからあった風習で、神社よりも先にあったかもしれません。
地域の信仰がもとになり、習慣からはじまったのが神社ですから。
シンボルとして作られたのが、神社なんです(ニッコリ&キッパリ)。

ーー 神社ありきで、お祭りや神事があるように思ってしまいますが、実は住んでいる人の信仰や習慣ありき、ということですね。
例えば、3世紀ごろに創建となった神社だと、それ以前に信仰や習慣が出来るような人々の営みがあったからなんですねぇ。神道のお神さまは、上から目線じゃなく、人間の暮らしの上にあられるというのは、素晴らしいですね。
ところで、初詣でお参りする時は、氏神さまにお参りするのが基本なんですね?
山内権禰宜
そうですね。ご自分がお住まいの地域の氏神さまに、参拝するのがよろしいですね。
帰省されている場合は、ご実家の氏神さまでもいいと思います。
ーー 氏神さまが分からないという方も多いと思いますが…。
山内権禰宜
今はそういう方も多いですね。
ーー 分からない時は、今住んでいる家から一番近いお宮が氏神さまだと考えていいわけですか。
山内権禰宜
厳密にはそうじゃない場合もありますが、基本的にはそう考えられていいと思います。
ーー 近くに神社があるかどうかも分からない方は、普段から散歩したりして、自分のコミュニティのことを知る努力をされた方がいいかもですね。
山内権禰宜
そうですね。いろいろな発見もあると思いますし(ニッコリ)。
開運! 初詣の心得のページへ、続くっ
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そうですね(ニッコリ)。







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